発声でバランスの良い高音を出す方法!Nouの効果とは?
Nayの発音は声門閉鎖やチェストボイスとヘッドボイスをバランスよくリリースできる発音としてボイストレーニングでは重宝されています。
それに対し、NayのステップアップとしてNou(ノゥ)という発音を提案することがあります。
どのようにボイトレに生かしていくのか、両者の発音を細かく解説していきます。
まず、Nayの中に含まれるN(ネ)はBUZZ音と言い、声門閉鎖を強める効果があります。
しっかりと声帯を合わせた状態を作りやすいため重要なポイントであり、高音を出す上で必須のテクニックが掴みやすい理由の一つです。
さらにNayのA(エ)はチェストボイスを強める効果があり、NayのY(イ)はヘッドボイスへとリリースしてくれます。
これにより両者のバランスをコントロールすることが可能になるのです。
では、Nouではどうなるかと言うと、、、
Nayと同じくNouのN(ノ)はBUZZ音の役割としてNayのNと同じような効果を得ることができます。
さらにNouのO(オ)はヘッドボイスへのリリース、NouのU(ウ)もヘッドボイスへのリリースとなり、ともに軽さを持った状態へと引き寄せていきます。
これにより、声門閉鎖を叶えたヘッドボイスの状態へとリリースしようとする力が働きより楽に、かつ共鳴を作りやすいベストなポジションを探ることが出来るのです。
また、Nayでは閉鼻音が強まった声で少し馴染めない音ですが、Nouではこの違和感を取り除くことが出来ます。
ヘッドボイスへと入っていこうとする力をある程度受け入れながらFlipが起きないところを目指してみてください。
是非、あなたのレッスンにも取り入れてみてください!
エッジボイスは声門閉鎖!効果を詳しく解説
なぜボイトレにはエッジボイスがよく使われるのか、大きく2つの利点があると言えます。
ひとつはリラックスした喉周りを保てること。
つまりシンプルにストレッチ効果が望めるということです。
ただ、単純に力を入れずエッジボイスを出すだけでリラックス効果を得ることが出来る為、本番前やレッスン前などにやっておくと良いでしょう。
そして、2つ目は声門閉鎖の感覚を掴めること。
どちらの効果も高音を上手く出す為にとても必要なのです。
エッジボイスは声帯が合わさった状態でなければ鳴らすことができません。
エッジボイス=声門閉鎖と考えて問題ないでしょう。
その声帯の状態を保ちながら声をプラスすると、完全閉鎖した声の感覚を掴めるのです。
近い形を作りやすいのは地声です。
まずはエッジボイスを鳴らしながら少しずつ地声を足していきましょう。
音は楽に出せる音程で構いません。
ガラガラの音に少しずつ声をたしていくようやってみましょう。
この時、喉周りの感覚は変わらないように意識してください。
恐らく、さほど難しくはないかと思います。
慣れてきたら裏声を混ぜてみましょう。
この時同じ感覚で出来たらそれは強い裏声が出せているということです。
ミッスクボイス習得に繋がる大切な感覚でもあるので、是非練習に取り入れてみてください。
歌に欠かせない!3つの器官を使いこなす
ボイストレーナーの東本です。
歌は体を使って奏でるものです。
その体には大きく分類して3箇所の大切な器官があります。
今回は歌が上手くなる為に必要な3つの器官についてお伝えします。
3つの器官
呼吸器官、声帯器官、共鳴器官
呼吸器官で息が送り込まれ、声帯器官で振動を起こし、共鳴器官で豊かな音色になる。
この流れの元、歌声は作られている訳です。
つまり全てがしっかりと正しく働いてこそ素晴らしい歌声が作れるのです。
まず、呼吸器官とは肺とその下にある横隔膜、更には声を支える為の丹田と言われるインナーマッスルを指します。
ただ息を吐いたり吸ったりするだけではなく、これらの部位が機能してこそ、歌では正しい呼吸器官の使い方と言えるでしょう。
次に声帯器官で音の震源が作られます。
声帯は喉仏の中にある小さな部位ですが、声を出すためにもっとも重要と言えます。
この声帯を上手くコントロールし、分厚くしたり薄くしたり、しっかりと閉鎖したり隙間を作ったりして狙った声を作ることが大切です。
その声帯で生み出した音の源を共鳴器官で増幅させます。
共鳴器官とは大きく分類して、鼻の奥の空間、鼻腔、口の中の空間、口腔、喉仏からご飯を飲み込む穴までの空間、咽頭腔があります。
これらを上手く使い、豊かな声色を作ることが可能です。
とくに日本人の場合、口腔と咽頭腔は普段は狭い状態であることが多いため、ある程度拡大する意識が必要となります。
この3つの器官をそれぞれ正しく使いこなせれば貴方の声は見違えるほど変化するでしょう。
10分あれば声は起きる?効率の良い立ち上げ発声とは
ボイストレーナーの東本です。
今回は効率よく声を起こす方法です。
寝起きからいきなり本調子で歌えます!って方、いらっしゃいますか?
ある程度時間が経った方が声って出しやすかったりしませんか?
貴方が眠ると声も眠ります。
しかし、貴方が起きても同時に声は起きてないのです。
今日は声を素早く起こす方法をお伝えします。
まず、なぜ声は立ち上がるまでに時間がかかるのか。
それは声帯周りにある筋肉の特性に一つ原因があると言われています。
体全体には色々な筋肉がありますが、それらが本調子で機能するにはある程度の時間が必要です。
時間をかけながら立ち上がってくるのです。
しかも、声帯周りの筋肉はその中でも一番最後に立ち上がります。
なので、寝起きから本調子で声を出せるまでにある程度の時間が掛かる訳です。
しかし、プロフェッショナルの現場では朝早いリハーサルやライブなどが御構い無しにある訳で、「立ち上がるまで待って!」とはいかない!
早く声を立ち上げることも一つ当たり前のスキルなのです。
立ち上げるべき各筋肉を効率よく動かす!
それぞれの発声法を並べてみます。
1.スタッカート
2.Hii
3.リップロール
4.Guu
5.Nay
6.Wee
一つずつ解説とやり方を簡単に紹介します。
1.スタッカート
横隔膜を動かす発声です。
横隔膜という名前ですが筋肉なのでいきなり動かすと思うように機能しないことがあります。
発音はHaで極力たくさんの息を使い、出来るだけ短く切って発声してみてください。
2.Hii
口腔にある軟口蓋を引き上げる発声です。
発音はヒィですがウの口を作り発音してみてください。
この時声は前に出す感覚では無く、下に引くように発声してみましょう。
3.リップロール
唇を震わせながらプルプルと音を出す発声です。
全て裏声でカバーしてみてください。
その際喉を開ける意識をもって、楽に息をおくりましょう。
輪状甲状筋のストレッチにも最適です。
4.Guu
グゥグゥと声を出してみてください。
Hiiの時と同じように前では無く下に引くようにイメージしながら発音してください。
胸骨甲状筋を働かせる発音でもあるので喉仏が深く下がるようやってみましょう。
5.Nay
声門閉鎖筋を強める発音です。
この発声は効果がたくさんあるため、別で詳しく解説した記事があるのでこちらをご覧ください。
6.Wee
喉の位置をナチュラルに保つ仕上げの発声です。
ウィウィと発音しながら低い音まで下がってみてください。
これらの発声をまとめて10分やってみてください!
声が目覚めるスピードが早まり、ライブやカラオケなど貴方の本番で本来の声が出しやすくなります。
是非、スクールやボーカル教室に行く前や、ライブ、カラオケで歌う前に、一度試してみてください。
喉を下げるエクササイズ!引き下げ筋肉を養う方法
ボイストレーナーの東本です。
今回は喉を引き下げる筋肉
『胸骨甲状筋』について。
これはのどについている喉仏を含む軟骨を横から見たイラストです。
また、ピンクに色付けされているところが『胸骨甲状筋』と呼ばれる筋肉で、甲状軟骨と胸骨を繋いで存在します。
この筋肉もまた歌を歌う上で必要と言えるでしょう。
喉仏を触りながらあくびをしてみてください。
喉仏が引き下がりあくびが終わると元の位置に戻るのが解るかと思います。
この時『胸骨甲状筋』が働き、筋肉が縮むことで甲状軟骨を引き下げでいるのです。
また、甲状軟骨が下がるとその上にある咽頭腔の範囲が拡大し、深い響きを増幅することが出来ます。
今回は細かいことはこのくらいにして、とにかくこの筋肉を動かして発声してみましょう。
胸骨甲状筋なら「G」の子音!
少しこもらせた声(クレヨンしんちゃんのボーちゃんの声のような)を作り、グゥグゥと発音してみてください。
男性であれば鏡を見てみると喉仏が発音する度に下がって戻るのが解ります。
視覚的に確認できない方や、女性の方であれば、喉仏に優しく触れて発声してみると動きを確認できます。
この発音で喉仏が下がれば胸骨甲状筋は上手く働いているので、自分が出来る限り深く下がるよう意識しながら発声してみましょう。
オススメのスケールはトライアードやオクターブ系のもの。
key of Cで言えば
ドミソミドやドミソドドドドソミドなど。
慣れてきたらグゥーーーと伸ばしながらこのスケールを歌ってみるのもオススメです。
引き下げ筋『胸骨甲状筋』を柔軟に動かす体操としてライブやカラオケなどで歌う前に発声に取り入れてみてください!
ミックスボイス攻略!ネイは効果絶大!?
ボイストレーナーの東本です。
今回は楽に高音を出すためにとても使えるエクササイズを解説分析付きでお伝えします。
いろんな効果があるのでよく使われる発音Nay(ネイ)
ボイトレを受けてる方ならやったことがあるのではないでしょうか?
たとえば声が裏返ってしまうときの声帯閉鎖筋を上手く稼働させる効果や、強い裏声を出す為に必要な筋力の状態などを掴みやすいため、とても使われている発音なのです。
この発音はN(ネ)でハイラリンクスを引き起こし声門閉鎖を強めてくれます。
またE(エ)でチェストボイスを強め、I(イ)でヘッドボイスを呼び出す効果があるため、ミックスボイスアプローチにも非常に理に適ったな発音なのです。
オススメの練習法はやっぱりスケール練習です。
Pull癖のある人はトライアドやオクターブリピート系のスケールでチャレンジしてみましょう。
トライアド
例 ドミソミド
オクターブリピート
例 ドミソドドドドソミド
Flip傾向のある人は階段の狭い5トーンがオススメです。
5トーン
例 ドレミファソファミレド
ポイントは声を張り上げることなく、かつひっくり返ることなく発声すること。
逆にいえばこの2つの状態が起きず、高い音を発声できているのなら喉の痛みなどは感じずできるはずです。
この状態で声が出せているなら成功していると言えるでしょう。
慣れてきたら色々なスケールでこなせるよう試していきましょう。
いい声を作る!ボイスポジションを狙え!
ボイストレーナーの東本です。
カラオケやライブでみんなが感動するような美しい声を出せたら、、、
そんなあなたの声は色々な声色に変化させることができます!
その中でもっとも綺麗な響きを生み出す一つ、ボイスポジションとは?
詳しく解説します。
まず上顎を前歯の裏から舌でなぞってみてください。
前歯の裏から真ん中より少し奥まで、硬い骨が入っている部分が続いてますよね。
さらにその奥にいくと柔らかいお肉がついた部位に切り替わっているのが解りますか?
硬い所を硬口蓋、お肉の所を軟口蓋といいます。
この硬口蓋と軟口蓋が切り替わる真ん中のポイントをボイスポジションといいます。
歌でもっとも響きが豊かで纏まりのある声を作るには、このボイスポジションに声を集める必要があります。
いまいち感覚が解りずらい話だと思いますので、口をしっかりと開けた状態で、単発で「ハッハッハッ」と息をはいてみましょう。
上顎に息がバウンドした後、前にでていくのが解りませんか?
舌は動かさずやってみてください。
また少量の息では解りづらいので、しっかりと多い息で短く吐いてみてください。
息の方向が感じれたらそのまま「え」や「い」の口で同じことをやってみてください。
すると、バウンドする場所が前の方に切り替わるのが解りますか?
同じように、次はあくびをした状態でやってみてください。
今度は後ろの方にバウンドしたのが解りましたか?
要するに、口腔内を狭くすると前へ、口腔内を広くすると後ろへとバウンドするポイントが変わっていくのです。
最初にお伝えした、この軟口蓋と硬口蓋の切り替わるポジションにこの息を当てるには、どの程度口内を開ける必要があるのか。
息を当てながらざっくり測ってみてください。
その時のポジションがもっとも声が響くポイントになります。
また、大切なことは一定のポイントを選び、そこに声を当て続けれるかどうかです。
つまり声を狙ったポイントに当て続けれるテクニックを身につけること。
口腔内の形を安定させながら色々な母音にチャレンジしてみてください!