ミックスボイス=TA&CT 筋肉を使いこなせ!
ボイストレーナーの東本です。
ミックスボイスが上手く出せている状態、それは相反する2つの筋肉がバランスよく機能している状態である。
ミックスボイス習得に必要な知識として覚えておきましょう。
声帯を縮める筋肉
甲状披裂筋(ThyroAryteroid)頭文字をとって、通称TAマッスルと呼ばれています。
喉を上から見た図です。
声帯に並走するようにあるこの筋肉が機能すると声帯は分厚く縮み太い声が出せます。
強い地声を発声している時、強く働いている筋肉です。
アヒルの声真似をしてみるとより解りやすいかと思います。
声帯を引き延ばす筋肉
輪状甲状筋(CricoThyroid)
通称CT
喉を正面から見た図です。
甲状軟骨と輪状軟骨を繋ぐようにセットされている筋肉で、機能すると甲状軟骨が下に引っ張られ倒れます。
声帯はこの甲状軟骨の中にある為、一緒に下に引っ張られ、結果伸ばされることになります。
裏声を発声した時に機能している筋肉といえるでしょう。
猫の声真似をしてみると解りやすいかと思います。
この2つの筋肉の力はそのまま、「縮める」と「伸ばす」なので、お互いが100%の力で戦うことが出来ません。
TAが強く働いている状態ではCTは強く機能することは出来ない。
逆にCTが優先の状態ではTAは鳴りを潜めます。
つまり地声から高くなるにつれTAは徐々に弱まり、CTが少しずつ力を増していけば、バランスのよいミックスボイスが出せるのです。
ただ声を裏返すのでは無く、ただ張り上げるのでもないこの特殊ともいえる感覚を掴むことが、ミックスボイスへの近道なのです。